問合せ業務自動応答AIのLogicalMind TALK(ロジカルマインド トーク)
三重県 デジタル社会推進局 スマート改革推進課様が抱えていた課題は、「コロナ禍の中で急増した職員からの問い合わせ対応に多くの時間がかかってしまい、通常業務に支障をきたしていること」でした。
課題解決のために、「LogicalMind」を実験的に導入。職員からの問い合わせへの対応にかかる負担を軽減することに成功しただけでなく、「LogicalMind」が職員の業務サポートにもつながりました。この取り組みについて、デジタル社会推進局 スマート改革推進課 市町連携班の村田将様にお話を伺いました。
三重県様では、令和3年度から「デジタル社会推進局」を設置し、あらゆる人々が家庭・職場・地域それぞれの場所において、新しく何かにチャレンジできる時間を創出できる「みんなの思いを実現する『あったかいDX』」をミッションとして掲げ、「誰もが住みたい場所に住み続けられる三重県」の実現を目指しています。
三重県 デジタル社会推進局 スマート改革推進課様は、デジタル社会推進局のうち、デジタルも活用しながら、業務削減や効率化による生産性向上と県民サービスの向上を図る改革、在宅勤務など柔軟な働き方を実現する改革、そして、これまで解決できなかった社会課題の解決を進める改革の3つの改革をミッションとする部署です。
村田様はその中でも市町の支援を主に担当しており、介護認定や窓口業務などの業務を対象に、国の事業や民間企業の助力を得て、デジタルも活用した業務改善を目指すとともに、情報基盤や情報システムの見直しにも取り組んでいます。
業務をより効率的に進めるためにも、2021年4月に「LogicalMind」を実証実験として導入しました。
――LogicalMind導入の背景となった業務上の課題について教えてください。
三重県庁では、新型コロナ感染症の拡大にともない、急ピッチで在宅勤務システムやWeb会議システムを導入しました。素早く導入できたことは良かったのですが、皆が慣れないシステムを使うことになり、問い合わせが殺到。職員はその対応に追われるようになり、通常業務がうまく回らないような状態でした。
また他部署では、異動に伴う福利関係の手続きに関する庁内の職員からの問い合わせや、給付金制度に関する市町職員からの問い合わせなどを抱えており、少しでも担当職員の負担を減らしたいと考えていたところ、マインドシフト様から実証実験のお誘いがあったため、LogicalMindを試験的に導入することを決めました。
――LogicalMind導入後のご状況はいかがでしょうか。
テレワークに関する問い合わせが急増したタイミングでLogicalMindを導入できたので、一定数の問い合わせがチャットボットだけで完結できるようになりました。ログを見ると、1日あたり最大で20件ほどをチャットボットが捌いていることもあり、職員の負担を着実に軽減することに成功しました。1件の問い合わせで10分以上の時間がかかることもあったので、非常に大きな効果を感じましたね。
また、問い合わせを減らす効果以外にも、LogicalMindを職員のサポート機能としても活用できました。特に4月の異動を経て、問合せに的確に対応できる経験豊富な職員が減ってしまったなかで、質問を受けた側もチャットボットで調べることができたことは非常に助かりました。
ベテランの職員であっても、普段はあまり対応しないようなレアケースの問い合わせがきたときに、チャットボットを辞書のような形で活用できたため、スムーズに問い合わせに回答できるようになりました。
今では、在宅勤務システムやWeb会議システムを管理するチームの方から「なくなったら困る」と言われる存在になっています。
――LogicalMindに対して、改善してほしいポイントなどはありますか。
管理者のユーザビリティについて、もう少し改善してほしいなと感じる部分はあります。質問者に必要な情報を提供できたかどうかをスピーディに確認できたり、質問・回答の追加がより簡単に対応できたりすると嬉しいですね。
また、行政はセキュリティの観点から、一般企業とはインターネット環境が異なる部分があります。より行政ネットワークに対応したサービスになると、もっと使いやすくなるのではないかと感じています。
――数あるサービスの中からLogicalMindを採用された理由について教えてください。
LogicalMindを導入した理由はいくつかあるのですが、決め手はサービス導入の実績が多数Webに掲載されていたことです。
ある程度、信頼のおけるサービスを利用したいと考えていましたので、そういう点でLogicalMindは安心感がありました。
――実際に導入されて、メンテナンス面はいかがでしょうか。
LogicalMindの管理については、私1人で行っています。時間は多少かかりますが、1人でも充分メンテナンスに対応できるシステムだと感じています。
導入前のQ&Aの準備や、導入後に想定していなかった質問が多く寄せられたときの対応など、一時的に大変な時期もありました。しかし、一度体制を整えることができれば、メンテナンス面は非常にスムーズだという印象を持っています。
――今後の活用方法について教えてください。
個人的な意見としては、チャットボットを県庁全体のインフラ的なシステムとして活用できるようになれば嬉しいなと感じます。
我々の仕事は、新型コロナウイルスへの対応など、緊急で体制を整えなければならないようなシチュエーションが少なからずあり、また、時期による繁閑の差が大きく、急激に問い合わせが増えても少人数で対応しなければならないようなケースも多いため、そのような場面でもすぐにチャットボットの運用を始められるようになったら便利だと感じます。作りたい人と思った人がすぐに作ることができ、チャットボット設置の必要性がなくなったらクローズするような活用方法ができたらとても嬉しいですね。
本質的には、職員同士や県民の方とのコミュニケーションの質を上げることが何よりも重要だと感じています。そのための有効な手段の1つとして今後もチャットボットを活用していきたいと考えています。
――これから導入を考えている企業へのメッセージをお願いします。
LogicalMindを導入したことで、業務の効率化が達成できただけでなく、ユーザーの疑問やニーズを知ることができました。質問が一定数たまっていけば、それらの質問を分析することも可能なので、マーケティング的な有用性もあると感じます。
また、チャットボットのようなサービスはすでに多くありますが、システムそのものだけではなく、どのような人と一緒に仕事をしたいのかということも重要な要素だと思います。マインドシフト社の担当の方は、私の意見をいつも真摯に受け取ってくださり、少しでも早くサービス改善につなげようとしてくれます。
サービスを導入したらそこで関係性が終わってしまうような会社も少なからずありますが、マインドシフト社の方はそのようなことがなく、常に我々の言葉に耳を傾けてくれるのでとても信頼して、取り組むことができ、試験導入としても十分な成果が得られたと感謝しています。