問合せ業務自動応答AIのLogicalMind TALK(ロジカルマインド トーク)
ペット保険大手であるアイペット損害保険株式会社様(https://www.ipet-ins.com/)では、お客さま対応の増強策として、電話以外のノンボイスチャネルの窓口拡充を進めてきました。
スピーディな課題解決のために、1日平均40件(2021年3月現在)の問合せを「LogicalMind」に移管。この取り組みについて、事務部門を統括する事務企画部、加藤誠章様にお話を伺いました。
LogicalMindで問合せを受け付ける同社公式サイト「各種お問合せ」
https://www.ipet-ins.com/contact/
同社の事務企画部は、お客さまサポート部・契約サービス部・保険金サービス部という3つの事務部門を統括し、コントロールタワーとして部門横断的な施策の開発や導入支援をする部署です。
同社のペット保険は、2020年3月から2021年1月までの約10か月間で、保有契約件数が10万件増加して60万件を超え、過去最速のペースで成長しています。[注1]
お客さま対応の電話窓口は曜日や時間帯によっては混雑することがあり、オペレーターにつながるまでに、多くのお客さまをお待たせしてしまう場合もありました。
そこで、電話以外のノンボイスチャネルの窓口拡充として、お客さま向けFAQシステム「LogicalMind」を導入しました。
[注1]アイペット損害保険株式会社:保有契約件数が60万件を突破!
――LogicalMind導入の背景となった業務上の課題について教えてください。
ペット保険は、2018年から2019年の比較で金額ベースの市場規模が115.7%も増加したといわれる成長市場です。[注2]
しかしながら、まだまだ馴染みがない金融商品であるため、多くのお客さまから様々な問い合わせがあります。
個別の状況をヒアリングしないと回答できないような質問も多いため、当社のお客さま対応窓口は長年、オペレーターによる電話対応が全体の問合せの9割を超えていました。
常にオペレーターを増員し、お客さまがお待ちになる時間を短縮しようとしてきましたが、成長市場の中でお客さまが増えていくスピードに、オペレーターの増員が追いつかない状況が来ることも容易に想像できます。
さらに、コンタクトセンターの営業時間外、たとえば夜間に問合せをしようとしたお客さまは、質問したいことがあってもできないという課題も抱えていました。
そこで、顧客対応品質を確保するために電話ではない窓口、ノンボイスチャネルとして、Webの問合せフォームを開設しました。
しかし、この問合せフォームでは、お客さまに返信するまでに短くても数時間、長いと翌日以降となることもあります。迅速に回答できる質問にはその場で回答していきたいと考えたのが、チャットボットに着目したきっかけです。
[注2](株)矢野経済研究所:ペットビジネスマーケティング総覧2020年版 P132
――数あるサービスの中からLogicalMindを採用された理由について教えてください。
LogicalMindの導入を決定するまでに、多くのチャットボットに加えて、大規模なCTI(Computer Telephony Integration)や、統合的なCRM(Customer Ralationship Manegement system)の一部としてチャットボットを組み込むシステムなどの提案をベンダー各社から受け、比較検討を行いました。
その結果、「低価格」で「スピーディな構築」、そして「操作が簡単」であることが決め手となり、LogicalMindを採用することにしました。
大規模なシステムの場合、基幹システムをはじめとする事務部門全体のシステムとの連携や入れ替えが前提になります。関係部門との調整に年単位の時間が必要となるので、導入に手間がかかります。
一方、LogicalMindの場合、実際に発注してからアカウント付与までに1週間、さらに数日から1週間という、極めて短期間でテスト環境の構築を終えました。
また、クラウドであることから、インターネット環境があればどこからでもQ&Aの作り込み作業ができるのもよかったです。
また他のチャットボットと比較して、半額程度の費用で導入できることも魅力でした。
――LogicalMind導入後のご状況はいかがでしょうか。
LogicalMind導入から稼働開始までに、チャットボット機能の核となる、Q&Aの作り込み作業を行いました。
Q&Aのベースとなるのは、Webの問合せフォームに寄せられた問合せ内容です。2万件程度の蓄積があったものから頻度の高いものや重要なものをピックアップし、テスト環境を使ってAIに入力して機械学習をさせ、さらに、当社ホームページに掲載していたFAQも入力し、Q&Aの作り込みを行いました。
加えて、より回答率を高めるために、日本語の揺れや表記、送り仮名、半角と全角など、ヒットしない言葉や表現を調整していきました。
これらの入力に、専門的な知識や特別なノウハウは必要ありません。エクセルベースでQとAを用意して、それをインポートして読み込ませるだけです。このような簡単な操作も魅力ですね。
――稼働後の業務改善効果はいかがでしょうか。
稼働から1ヶ月ほど経ち、1日40件ほどLogicalMindのチャットボットで問合せを処理していますが、幸いなことにお客さまからの苦情はありません。今後は電話だけではなく、チャットでも迅速に問合せ対応ができることを、お客さまに本格的に周知していく予定です。
最終的な目標は、全問合せの30%くらいをチャットボットなどのノンボイスチャネルに誘導していきたいと考えています。
今後は構築から運用に移行していくので、コンタクトセンターを運営しているお客さまサポート部に、LogicalMindのチャットボットの管理を移管する計画です。
主に3名で構築から運用まで行ってきましたが、移管後も管理に必要なメンバーは変わらず2名〜3名で十分だと考えています。
――今後の活用方法について教えてください。
社外向けのFAQシステムが好調であることから、今後は、LogicalMindを専門的な知識が求められる社内業務のFAQシステムとして使用することを検討しています。
たとえば、ペット保険の保険金支払は、獣医療の知識が必要です。常に新しい、専門的な知見を参照する必要があります。
現状では、獣医師や専門知識のあるメンバーに確認したり、文書でまとめられた資料を各々が参照したりして業務を行っています。
しかし、自然言語入力のチャットボットを活用して、専門知識を蓄積した社内FAQシステムが完成すれば、業務の効率化はもちろん、教育コストの削減も図れます。この他にも、様々な活用方法を模索していきたいと思います。
今後は、社外はもちろん社内も、LogicalMindを活用して業務の効率化を進め、お客さまへのサービス向上を目指していくつもりです。